大学入試においても、最近は論文が多くなっています。また、○×式の問題だけでなく、長文を読解する問題が増えています。単に暗記するのではなく、考える能力、表現する能力が必要とされているのです。東大の医学部でも面接テストが行われるなど、知能だけでなく人間性が重視される時代になってきているのです。行動観察や工作、作業など、手間のかかる試験をわざわざ行っているという理由を理解していただきたいと思います。幼稚園、小学校は、ものの見方とか考え方、表現のしかた、創造力や個性、意欲、そうしたものが年齢に応じて適切に育っているかを見ようとしているのです。桐朋(国立・仙川)では「個性の輝きのある子」「意欲のある子」を入学させたいと言っています。この個性の輝きや意欲を、学校側はどうやってみつけるのでしょうか。○×式のペーパーテストだけでは不適当です。行動観察や制作のテストでは、意欲的に問題に取り組む子、自分勝手な子、やさしい子など人柄や個性が良くわかります。ですから、行動観察やグループ制作が出題されることが多いのです。ある有名小学校の校長先生のお話ですが、ペーパーの成績が非常によかったので入学させてみたら、しつけは出来ていないし、社会性や協調性がない子だったとのことです。そのために、その小学校では、以後、行動観察を重視するようになったとおっしゃっていました。幼稚園教育、小学校教育は、集団生活の中で行われます。社会性や協調性のない子ですと、ほかの子どもの迷惑になりますし、先生にもいろいろ手がかかってしまうので困るのです。幼稚園、小学校受験は行動観察、しつけ重視の傾向にある、というと、「ペーパーの勉強は必要ないのですか」というお母さんがいらっしゃいますが、そんなことはありません。ペーパーテストはさまざまな生活体験を整理するには必要なものです。豊かな生活体験を積んでいる子どもは、ペーパーの問題も喜んで取り組もうとします。子どもにとっては、ペーパーの勉強も、豊かな生活体験の一つ、遊びの一つと考えてよいでしょう。成蹊、暁星、立教女学院、白百合、聖心、光塩、晃華、川村、桐蔭、国立学園、森村、カリタス、桐光、宝仙、聖徳、淑徳、聖学院のようなペーパーテスト重視の学校では、ペーパーテストを通じて、子どもの将来性や可能性、生活体験の豊富さを見ていると言って良いでしょう。