情熱がなければ価値のある仕事はできない

2011.07.29

流れ作業式の分業によって翻訳の効率を高めようという考え方、翻訳の「品質管理」という考え方は、翻訳の質を高めようと苦労している発注者にとって、そして、翻訳のコストを引き下げようとしている発注者にとって、甘い罠だ。この方法をとれば問題が解決するように思えるかもしれないが、実際には翻訳の質が逆に低下し、全体としてみたコストは逆に上昇することが多い。うまくいっているように見える場合にも、誰かにしわ寄せがきているはずである。翻訳者は通常、書く作業の全体に対して責任を負おうとする積極的な姿勢をもち、つねに学んで翻訳の質を高めていこうとする意欲をもち、原文の意味を読者に伝えようとする情熱をもっている。分業化の方向をとると、このような翻訳者の姿勢、意欲、情熱を活かせなくなる。翻訳者の姿勢、意欲、情熱を殺してしまうことになる。どんな仕事でもいえることだが、翻訳でも、情熱がなければ価値のある仕事はできない。