金融機関全般に言えることであるが、特に保険会社の場合、その経営陣にシステム部門出身でシステムに感度がある役員が少ない。そのため、経営陣全体に対して、システムについてきちんとした理解が浸透しない。経営陣がシステムについて理解できていないので、システム部門に対して押しつけがくるということが起きる。これは、マネジメントからシステム部門に対する不満であり、その裏返しとしての期待でもあるが、三つのグループの人たちは、お互いに注文を出し合い、「せめぎ合い」を展開している。マネジメント側から見ると、経営の改革を行うときには、ユーザー部門に対して業務のやり方を変えろとか、人事のやり方を変えろといった指示を出す。と同時に、システム部門に対してさまざまな期待を突きつけていく。しかし、その期待は漠然としていたり、妥当性を欠いていたりすることが少なくない。本来どんなことをシステムに期待すべきか、現状においてどんな期待なら実現可能かを、きちんと認識できているマネジメントは少ない。一方、こうした期待を受ける情報システム部門の側は、定型の事務処理を機械化し、ユーザー部門で新しい事務が出てくればそれに対応して新たな事務処理を機械化してそこに足していく、というような業務のやり方を一貫して行ってきた。そのため、受け身で言われたことをこなしていく体質が身にしみついている。そこに、いきなりマネジメントから「最新の情報技術を使ったら、経営にどんな貢献があるか」といったリクエストが来るわけであるから、すぐに満足な回答をする能力があろうはずがない。
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